JIM(THE BAWDIES)インタビュー


The Killers、AC30への回帰。

ギターを弾き始めたきっかけからお願いします。

通っていた中学校がメロコア学校と言いますか、当時、ハイ・スタンダードとかもガツガツきてまして、先輩にもそういったジャンルでプロになったバンドも多く、CDやテープが自然と出回っていて、バンド自体が身近にあったんですよね。僕個人で言うと、最初にハイ・スタンダードを聞いて、びっくりして、ギターってカッコいい、こんな音するんだ〜、と思ってギターを最初に買ったのが中学2年の時。あとはハイ・スタンダードが英詞だったこともあり、洋楽にも抵抗が無く海外のロックとかも聞くようになっていった。そういった流れもありつつ、高3の時に、THE SONICSっていうガレージ・バンドの曲がたまたま渋谷のCD屋で流れていたんですよ。その頃は、音楽に対してリスナーとしては興味を持っていたし、ギターも弾いていたんですけど、これで飯を食っていこうと思う程の意識は無かったんですよ。でもTHE SONICSを聞いて、さらに音楽にのめり込むようになった。ガレージ・シーンを漁り、ブリティッシュ・ビート、ロックンロール、ブルース、R&Bを掘り下げるようになり、その流れでTHE BAWDIESになっていったっていう感じですね。

ではTHE BAWDIESを結成したのは高3の頃?

中学の時から今のメンバーとは一緒にスタジオに入ったりしてましたが、THE SONICSを聞いてから、「これ演りたいね!」という話になり、まあ修行じゃないですけど、とにかく、スタジオに籠って、当時の音楽をコピーしまくるという時期があったんです。それが3年間くらいですね。それが固まってきてから、そろそろいけるかなっていう時にTHE BAWDIESっていうバンドを組んだ感じですね。それが2004年です。

サウンド・メイクに関しても色々と試行錯誤があったかと思うんですけど。

まさにその通りで、僕らが憧れていた50年代とか60年代のロックンロールやガレージ・バンドの当時のサウンドっていうのは、僕の持っていたギターや貸スタジオにある現行のアンプではまず出ないんですよね。となると、お茶の水の楽器店に行っては、安いビンテージのビザール・ギターを探すっていうことも始めて、試奏させてもらっては、すごい、当時のサウンドだよっていう喜びは感じてましたね。で、その時期にVOXのティアドロップ型のギターにも出会い、まんまその音が出たんで、すぐ買っちゃいました。長期ローンを組んで(笑)。

サウンドの上でアンプの存在も重要だと思いますが、VOXアンプとの出会いは?

やはりAC30ですね。レコードで聞いていた憧れのバンドのそのままの音が出るよって。まさに求めていたサウンドだったし、それを目指して試行錯誤してきた訳ですから、鳴らした時はすごい感動しましたよ。

それは楽器店で?

そうです。よく行く楽器屋にたまたま64年製のAC30がありまして。ちょうどその頃、サウンドの部分で悩んでいた時期でもあったんで、すぐ買っちゃいましたね。とにかく欲しくて。

じゃあそれが前のツアーまで使っていたAC30?

はい。インディーズの頃は、このAC30とティアドロップのギターだけでやってましたね、もうアンプ直で。

今のステージ上では、VOXアンプの2段積みが目を引きますが、下段は現行のAC30C2Xですよね。以前は、64年製のAC30を使われてましたが、変更した理由は?

いくつか理由がありまして・・・。まずはビンテージのAC30はあまり持ち歩きたくない、という思いがすごくあって。いつ何があるか分かりませんし、デリケートだし、バン1台で全国30〜40箇所くらいツアーするバンドでもありますから、絶対に1〜2回は途中で壊れるんですよ。で、真空管を探しに行くとか大変だし、バンでの移動中の揺れとかも気になってたし。あとは、バンド自体のサウンドがどんどんパワーアップしている中で、ビンテージ感はすごい好きなんだけど、それによるパワー不足も感じるようになってきて。で、現行のAC30だと、ビンテージ感持ちつつもすごいパワーがあったので変えました。あとは、現行のものは壊れないですよね、安定しているし。


具体的に比較してみてサウンドに違いは?

とにかく音がデカく、前に飛んでくイメージ。あとは、64年製のものには、それしか出せないビンテージ感というのがあるのと同じで、やっぱり2010年の今の時代の音だな、という感じはしましたね。でもVOXだから、昔の良さも継承しつつ、今のロックでも通用するようなサウンドになっている。あと、僕の好きなブルー・アルニコのスピーカー2発っていうのもいいですよね。サウンドがふくよかになる。

上段はキャビネットがVOXですよね??

はい。こっちのスピーカーは、セレッションのグリーンバックとブルー・アルニコの組み合わせになっています。これは僕が選んだんですけど、最初、ブルー・アルニコ2発にしようって話もあったんですけど、グリーンバックの方がちょっと粗いというか、ガレージ・サウンドに近いというか、そういうイメージがあったんで、グリーンバックが一発あった方がバンドっぽくなるな、という狙いですね。あとヘッド・アンプも、外見はELKですけど、回路的にはほぼAC30なんです。AC30プラスαって感じになっていて、これは秋間(経夫)さんに作ってもらいました。

中身はJIMさんからリクエストで?

そうですね。というか、秋間さん自身がAC30大好きで、AC30に関してはすごいうるさくて。64年製のAC30の修理も必ず秋間さんにお願いしています。最初は、中の配線とかも結構いじらていたらしく、すぐに直してくれて、「当時のお店に並んでいた時と同じ状態にしておいたよ!」ってまず言われて(笑)。それは嬉しかったですね。そういう方が作ってくれたヘッド・アンプです。

ということは、AC30を2台使っているっていうことですね。

最初は、ソロとか重要なフレーズの時だけ2台鳴らして、普段は1台っていう使い方をしてましたが、最近はもう、2台鳴らしっぱなしですね。その方がフルレンジ出るんですよね。上の秋間さんのアンプでミドルからミッドハイまでを担ってもらいつつ、下のAC30でちょっとふくよかな方を出してもらうっていう感じですかね。この方が、フルレンジ出るんですけど、飛んていくというか矢印のような音できちんと届く感じですね、この使い方を見つけて、すごい気持ちいいです、毎日。

AC30C2Xはどういうセッティングですか?

チャンネルはTOP BOOSTで、トレブルは高めで2時、ベース11時、ボリュームも結構上げて、ナチュラルに歪みが出るようにしておいて、マスターで調整する感じですね。でもマスターも結構出てますよ。3時くらいかな。まあ、それプラスもう1台ある訳ですから、相当うるさいですよ(笑)。潰れるギリギリの所までは出したいなあって思ってます。クラッシュ寸前のバリっと出てくる音ですかね。



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